生クリームはどうやったら甘くなるんですか?

ご主人の都合でこの秋からこちらに住むことになった日本人と英語のスクールで知り合った。そして昨日、一緒にスーパーで買い物をしているときに聞かれたのがこの質問。
「私、生クリームが好きなんです。甘くてふわふわしてて。でも、こっちの生クリームってなめてみたけど甘くないですよね。どうやったら甘くなるんですか?」
「そりゃあ、砂糖入れなきゃ甘くはならんだろう。」ついばっさり切り捨てるように言ってしまいそうになったけど、ちゃんと思いとどまった私。えらいな、大人だ。
日本ではホイップに使うクリームとしては、植物性油脂のホイップクリームと牛乳から作った生クリームが売っているけど、イギリスはその生クリームが目的別に数種類ある。乳脂肪分18・24・36・48%と段階があって、ホイップに使えるのは36%のホイップクリームと48%のダブルクリーム。おそらく彼女は素直にホイップクリームを買ったらしい。
そして、家に帰って容器の蓋を開けて、『ふわふわしていないし、甘くもない』といぶかしんだ模様。そもそも容器にちゃんと"for whipping"と書いてあるし、そこで大抵のヒトなら『これはホイップされたクリームじゃなくて、ホイップするのにちょうどいい濃度の生クリームってことなんだな』と気づくところだと思うんだけど、気づかなかったらしい。脂肪分が容器に明記されているけど、おそらくホイップするのに適した濃度もご存知ではないのでしょうな。
そして、ホイップする方法も聞かれたので、「ボールの下に氷を敷いて冷えた状態を維持しながら、泡立て器で泡立てます。ある程度あわ立ってきてから砂糖を数回に分けて混ぜるんですよ。」と説明した。説明しておかないと、泡立てる前に砂糖を一気に入れてしまいそうな仕草をしていたので。
なかなかツッコミどころが満載な彼女。あまりお菓子やパンを作ったことがないのか、以前も「パンを焼いてみたいんです」と言って、“Self-raising plain flour”(重曹入り薄力粉)を手にとっていたことがあった。そのときは「パンはベーキングパウダーじゃなくて、イースト菌で発酵させるんですよ。あと、粉は強力粉の方が向いていると思いますよ。分量のこともあるから、一度レシピを見てから買い物されたほうがいいかと思いますよ」とやんわり買い物を止めさせた。
でも、普通の料理は作っているみたいなので、お菓子系の経験値が低いだけだと信じたい。