サクシンとサクシゾン

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20081120-OYO1T00118.htm?from=top

鳴門病院の医療事故というかケアレスミスだな、本当にばかばかしい。
この当直医、どうやらこの4月に来た勤務医らしい。
医療過誤対策として、鳴門病院が5年前にサクシゾンの採用をやめたことを知らなかったって言い訳しているらしいけど、名前の似ている『タキソールとタキソテール』『サクシンサクシゾン』『ノルバスクとノルバデックス』あたりは、常識として知っておくべきことだと思うんだけど。あと、名前だけじゃなくて、規格のmg数まで必ず読む習慣をつけておくべきだと思う。たいていは常用量に差があるから、そこで気づいて回避できるはずだし。
この医師は多分、規格までは読まなかったんだろうな。オーダーするときも何も考えずにサクシン 1アンプルとかやっちゃったんだ。サクシゾンはバイアル製剤なのに。

せめてこの医師が、知ったかぶらずに「病棟ストックのステロイドは何がありますか?」って看護師さんに聞けば、備蓄されているステロイドを使うことができたのにね。救急薬だから、病棟に置いてあるはずだし。なんで半年以上の間、一度も処方したことのないサクシゾンをこの場面で使おうと思っちゃったんだろうなぁ。

病院の過誤対策も若干甘かった気がする。サクシンの適応症は
1.麻酔時の筋弛緩
2.気管内挿管時・骨折脱臼の整復時・喉頭痙攣の筋弛緩
3.精神神経科における電撃療法の際の筋弛緩
4.腹部腫瘤診断時
なんだけど、ほとんどがオペ室で使われるんだから、麻酔医しかオーダーリング入力できないようにロックかけとけばよかったのに。それか、私が前に勤めていた病院みたいに、オーダリングには載せないで、オペ室の冷蔵庫に緊急オペ用のストックを少し置いて、あとは麻酔医の手書き処方箋での受け渡しにしておけばよかったのに。

ここで、素朴な疑問。この病院は薬剤師が当直していたのかな?着任1年目の医師の処方はいろいろ怪しいから、遠慮せずに疑義照会をしたほうがいいと思う。自分の身を守るためにも。私はしょっちゅう照会していた。信じられないことをやらかすからな。彼らは。